レゾルバ位相計測器 レゾメータ RM-100

レゾメータなら、簡単・安全・正確な計測が短時間で可能

レゾメータは、モータを手回しして数値を合わせるだけで、簡単に正確な位相合わせが可能です。駆動モータを使用せずに計測できるため、安全かつ短時間で正確な調整が行えます。この方法により、開発・製造・保守(メンテナンス)にかかるコスト削減と生産性向上が実現します。

本製品でできること

レゾメータは、これまでにない調整方法でお客様の課題を解決します!

モータの開発・製造現場がかかえる課題

モータの開発工程におけるテーマは「いかに効率の良いモータを開発するか」です。モータの効率に影響を与える要素としてレゾルバの位相差が挙げられますが、開発工程では任意にレゾルバの位相を変更したり、理想値からあえてずらした位置に固定したりして、最適な位相を研究します。ここで問題となるのは、従来のオシロスコープ方式では、取得した膨大な開発データの正確性を評価するのに多大な手間がかかることです。オシロスコープ方式では、定量的なデータの出力ができない上、三相平衡回路やRDコンバータ、オシロスコープといった複数の構成部品を組み合わせて使用するため、各部品の故障や劣化といった外乱の影響を受けやすいという問題があります。

モータの開発・製造におけるレゾメータ活用による課題解決

  • 定量的なデータ出力
    • レゾメータは、データを定量的な数値で出力できるため、従来のオシロスコープ方式に比べてデータの評価が正確かつ効率的。
  • 機器の簡素化
    • レゾメータのみで計測が可能であり、複数の構成部品が不要なため、外乱の影響を減らし、システムの簡素化を実現。
  • 評価・管理工数の削減
    • 開発データの管理と評価にかかる工数を大幅に削減できるため、作業効率が向上。

製造工程においても開発工程と同様のメリットを提供します。「いかに品質が安定した製品を製造するか」を考える際、レゾメータの特徴である「定量化」と「構成機器の簡素化」は、品質評価と安定性に大きく貢献します。

工程設計の比較

レゾメータは外部通信機能を備え、他の専用設備に組み込むことで量産対応や工程集約が可能となり、大幅なサイクルタイム短縮を実現します。

従来の工程設計

オシロスコープ方式では専用のベンチ台が必要になるため、他の検査工程(特性検査工程)とレゾルバ位相計測の工程を集約することはできません。また、動特性評価における「効率測定」は位相調整の影響を受けるため、後工程の効率測定で不合格となった場合、再度前工程のレゾルバ位相計測用ベンチ台にワークを戻す必要があります。

レゾメータを使用した工程設計

レゾメータは外部通信機能を備えているため、上位のPLCやPCによって制御および計測結果の収集が可能です。これにより、他の工程設備に組み込むことができ、従来は工程集約が難しかったレゾルバ位相計測を、別の工程内で実施することが可能です。また、効率測定で不合格となった場合でも、ベンチ台にワークをセットしたまま再度レゾルバ位相計測を行うことができます。

インバータの特性評価用ベンチの構築が可能

近年では、インバータとモータが一体となったe-Axleモータが主流となっています。インバータへの位相差の書き込みにはレゾメータを使用することで、1台のベンチ台で完結し、そのまま効率評価を行うことが可能です。


モータ保守(メンテナンス)の現場がかかえる課題

大型の搬送台車(AGV)、工場や物流センターで使用される搬送装置、エレベーター、エスカレーター、フォークリフト、市場で使用される運搬車(ターレ)などの多くには、ブレーキ付きモータが搭載されています。モータ自体のメンテナンスは不要ですが、ブレーキは消耗品であり、交換が必要です。多くのブレーキ付きモータでは、コイルとレゾルバの間にブレーキが内蔵されているため、ブレーキを交換する際には、必ずコイルとレゾルバが切り離されます。交換後にはレゾルバの取り付け作業が必要となり、位置調整も行わなければなりません。従来、ブレーキの交換作業は現場で行えず、モータの製造メーカーに依頼する必要があったため、コストがかかることがユーザーにとって課題となっていました。 また、モータメーカーにとっても有償作業であるものの付加価値が低いため、可能であれば現場で対応してもらいたい作業でした。

モータ保守(メンテナンス)におけるレゾメータ活用による課題解決

  • 現場での調整作業が可能
  • メーカーに送り返して調整不要
  • 保守(メンテナンス)コスト削減
調整方法の比較

一般的な方法

レゾメータ方式

従来の調整方法とレゾメータの調整方法の違い

製品特長

簡単操作

  • モータを手回しして数値を合わせるだけで、誰でも簡単に正確な位相合わせができる。

安全性

  • 駆動モータを使用せずに計測できるため、モータの過負荷による発熱や火災のリスク、回転体への巻き込まれや感電のリスクがなく、安全性が向上する。

高精度

  • ±0.1°の高精度で計測でき、短時間で正確な調整が可能なため、作業を効率的に進めることができる。

コスト削減

  • 駆動モータなしで計測できることから、製品の開発、製造、保守、メンテナンスにかかるコストを削減。

生産性向上

  • 迅速かつ正確に調整ができるため、作業の効率が上がり、生産性が向上する。

コンパクト・ポータビリティ

  • 重さ3.5kgと軽量。
  • W310mm×D120mm×H320mmのコンパクト設計により、持ち運びが容易。
  • ケーブルを本体内に収納できるため、使い勝手に優れている。
  • 現場へ持ち運んで作業することが可能。

レゾルバとは?

レゾルバは、自動車(EV・HEV)や建設機械用のモータなどに組み込まれている、耐環境性に優れた回転角度センサーです。
モータの磁極の位置や回転速度を把握することで、効率的な制御と電力消費の削減が可能になります。そのため、モータの開発、製造、保守(メンテナンス)において、モータの制御効率を向上させるためには、モータとレゾルバの位置ずれを計測し、適切に調整することが重要です。

「レゾルバの教科書」では、レゾルバの基礎知識から、弊社のレゾメータを使用した調整方法まで詳しくご紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。

基本仕様

計測内容モータとレゾルバの位相差
レゾルバの現在角度
計測精度±0.1°以内
弊社標準環境における標準条件での繰り返し精度
対象モータ極対数 : 2~9極対、誘起電圧 : 100V以下
極対数設定可能
対象レゾルバ軸倍角数 : 1~9倍角、変圧比 : 0.14~0.66
軸倍角設定可能
外形寸法W310mm×H320mm×D120mm
本体重量3.5kg(付属品含まず)
供給電源単相AC100V-240V 50/60Hz

活用例

レゾルバ付きモータを使用するさまざまな分野での位相合わせに活用可能

(モータの開発、製造、保守)

モータメーカー自動車産業や家電、ロボティクス分野などで使用されるレゾルバ付きモータの開発・製造における、モータの位相合わせに活用。
レゾルバメーカーレゾルバの開発・製造における、モータの位相合わせに活用。
産業用ロボット産業用ロボットの関節部分で使用されるモータの位相合わせに活用。
工作機械NC旋盤やフライス盤に使用されるモータの位相合わせに活用。
自動車産業電気自動車(EV)のモータ制御システムやパワーステアリングに使用されるモータの位相合わせに活用。
航空宇宙産業飛行機の制御システムや、宇宙探査機に使用されるモータの位相合わせに活用。
発電設備風力発電や水力発電のタービン制御に使用されるモータの位相合わせに活用。
建設機械関連産業クレーンや油圧ショベルなど、建設機械や重機に使用されるモータの位相合わせに活用。
物流業コンテナ搬送AGVや自動運転フォークリフトなどに使用されるモータの位相合わせに活用。
造船業船舶の制御やエンジンの制御に使用されるモータの位相合わせに活用。
エレベーター・エスカレーター製造業エレベーターの位置制御やドア開閉制御、エスカレーターの速度制御などに使用されるモータの位相合わせに活用。
シャッターメーカー自動シャッターの位置制御に使用されるモータの位相合わせに活用。

開発・導入事例

モータメーカー様レゾルバ調整のたびに他部署からモータベンチを借り、オシロスコープを使って目分量で調整していたが、より手軽で高精度な機器を探していた。そこでレゾメータを紹介し、その場で購入を決定していただいた。
自動車メーカー様人手でレゾルバ調整を定量化できる計測器を探していたが、レゾメータを導入後、作業効率が向上した。
物流メーカー様モータのメンテナンスを依頼するたびにコストが発生していたが、レゾメータ導入後、内製化へシフトチェンジしたことで、モータメーカーにメンテナンスを依頼していた頃と比べて、メンテナンスコストを削減できた。

製品をご検討のお客様へ

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